大澤労務管理事務所 就業規則で企業をサポートしたい お問い合わせ

昨今、「もはや“リスク管理型”の就業規則は時代遅れで、これからは“業績アップ型”の就業規則にすべきである。」という考え方が主流になりつつあり、“業績アップ”という甘美な響きに過大な期待をよせている企業経営者も非常に多いと思います。しかし、いままで存在しなかった就業規則を、若しくは就業規則はあったものの従業員に周知していなかったものを整備したからといって、いきなり業績がアップするとお考えでしょうか?就業規則がその効力を発揮するためには、(法的にも)前提として従業員へ周知する事が不可欠です。せっかく策定したルールも、その存在が知らされていなければ「第○条に抵触しているので処罰します。」とも言えませんし、そもそもルールを知らされていないのですから守りようもありません。そのような状態でいくら“業績アップ型”の就業規則を策定したところで、実効力が伴わないのは目に見えて明らかです。

そして忘れてならないのが、就業規則は従業員が守るべきルールを明文化したものという側面があると同時に、逆に“企業が守るべきルールを明文化”したものでもあるという事実です。従業員が就業規則に慣れてないのと同様に、企業側も就業規則に慣れていない現状を認識して欲しいのです。

先ずは、従業員ばかりではなく、経営者を含めた企業全体として“就業規則をその企業で勤める上でのバイブル”と位置づけて常日頃から慣れ親しむ環境を整える事が前提であると考えます。 就業規則は周知した段階で効力を発揮します。

つまりその段階で企業側にも“足かせ”となる訳ですから、先ずは“リスク管理型”の就業規則を策定運用し、その定着度合いを見定めてから“業績アップ型”へとステップアップしていく事が望ましいと考えます。

よく「顧客満足度」というキーワードを目にします。顧客満足度をupさせる事で企業利益を確保(継続)しようとする試みであり、各企業はこぞってこのテーマに取り組んでいるようです。しかし、ここで確認しておかなければならないのが、顧客満足度アップのために努力するのは、誰が誰のために行うのかという点です。それは言うまでもなく、直接的には「従業員が企業のために」行う活動と言ってよいでしょう。そこで、顧客満足度upに関してさらに踏み込んで考察すると、(1)従業員と顧客との関係、(2)企業と従業員との関係、(3)企業と顧客との関係、とそれぞれ3つの関係がある事がわかります。そして正に、それぞれの関係を良好に保てた時に、初めてシナジー効果により、企業利益を最大にすることが可能になると考えられます。


つまり、いわゆる顧客満足度(企業と顧客との関係)をアップさせるためには、直接的に顧客と接する立場である従業員の顧客に対する適切な対応(従業員と顧客との関係)が不可欠であり、そのために従業員にモチベーションを高いレベルで発揮してもらう仕組みづくり(企業と従業員との関係)が企業に求められるという事です。このような関係から、顧客満足度を向上させるためには、従業員満足度をupさせる事がいかに重要であるかという意味が理解できると思います。では、いかにして従業員満足度を高めていくのか?それを考察していく事が顧客満足度アップ(=業績アップ)へとつなげる近道となり、それこそが就業規則の果たすべき究極の役割であり、また永遠のテーマであるとも言えます。


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